広告のムダ打ちを少なくする

広告投下でもっとも重視すべき点は、余計な予算を使わずに広告の内容を正しく伝達すること=広告の費用対効果を高めることである。つまり、CMの出稿量と認知率との関係を正確に把握し、なおかつターゲット層においてどう変化するのかの事前の分析が不可欠となる。

広告出稿料とCM認知率の関係をつかむ

CMの出稿量とCM認知率の関係は、おおまかに下のようになる。

  1. 効率分岐点
    接線45°前後にある点。
    この点を境に、GRPに対する認知率の効率が大きく変化する。
  2. 安定分岐点
    認知率の上限に対し、約7〜8割にある点。
    認知率曲線はこの点を境にほぼなだらかになる。
  3. 認知飽和点
    出稿量の増加に対し、認知率の増加がほとんどみられなくなる点。
    上限に対し、90〜95%が目安となる。

広告のムダ打ちとは

「1. 効率分岐点」に満たない過小なCM投下しか行われない場合、十分な広告到達がされずに、制作費に見合うだけの効果が得られないケースが起こり得る。また、逆に「3. 認知飽和点」を超えるような出稿の場合、費用のムダになるばかりか、受け手側に食傷感を招き、CMそのものの評価を下げてしまいかねない。

効率の良い投下量とは

これらの状況を回避するためには、「2. 安定分岐点」と「3. 認知飽和点」の間の、最も到達効率の良いゾーンの数値を目標として出稿量を設定すべきである。しかし、 商品カテゴリーや想定するターゲットによって、到達率は異なるため、その事前検証のためにモデル式を活用していく。

※ディレクターズ・ハンドブックより抜粋・再掲