テレビCMを「認知媒体」、新聞広告を「理解媒体」と捉える

テレビCM等の電波媒体は、受け手が意識せずとも情報を伝達できる。そのため幅広い層の認知拡大、興味喚起に適した「認知媒体」として捉えられる。また、音声情報・ 動画情報も扱えるため、視覚を通じて強烈な印象を与えられる。記憶にも残りやすく、到達効率を出稿金額で考えた場合、ほとんどのケースでテレビCMが新聞広告を上回る。反面、テレビCMの限られた秒数では情報量が制限され、商品の機能訴求といった詳細情報は不十分になる。この欠点の補完には、新聞の「理解媒体」としての有用性がクローズアップされる。

新聞への露出はTVCMによる十分な認知率を確保してから

テレビCM と新聞広告の特色の理解は、より効果的なキャンペーン戦略へとつながる。具体的には電波媒体によって商品名称・大まかな商品説明を行い、詳細な情報は紙媒 体でフォローする手法が好ましい。新聞広告はテレビCM投下期間中に出稿すべきだが、あまり早期では効果が薄い。テレビCMで十分な認知を確保した後、初めて効果が生まれる。

新聞の利点は情報量、情報選択性、保存性、メディアの信頼性

時間的制約のない紙媒体は大量の情報を詰め込め、しかも手元に保存して必要時に比較的容易に取り出せる利点を持つ。また、新聞はメディア自体の信頼から広告 出稿自体がステイタスを生み出し、強い信頼性につながる。告知広告をはじめとした公共性の強いキャンペーンでは、新聞広告の有効活用は不可欠である。

ビジネス広告では経済誌の活用でターゲットの絞り込み

ビジネス広告はターゲットが30〜40才代に絞られ、しかも詳細情報が不可欠である。これら制約から判断すると、テレビCMの費用対効果は現段階では疑問が残 る。ビジネス広告の出稿は新聞広告、特に経済誌活用が適している。また企業の持つブランドイメージを活用するためにも、通常の商品広告以上に企業名を前面に出す必要がある。

テレビCMと連動性のある表現でコミュニケーション効果を高める

電波媒体・紙媒体のそれぞれの特徴を生かした上で、その相乗効果を狙っていくのは当然の戦略課題である。そのため、新聞表現とCM表現との連動性が強く求められる。CMでカバーしきれない情報を発信できる新聞媒体として、表現上CMと連動するキーファクターを模索する。

  • タレントをアイキャッチとした連動
  • CMと同じコピーや定着したロゴを使う
  • イメージ・キービジュアルを統一する

※ディレクターズ・ハンドブックより再掲